整数の直交

こんにちは

 

今日は簡単な記事書きますね。

下のものを見て何かわかりますか?

 

1188\perp4165

 

いやいやいや、1188と4165は直交(図形なら垂直と言います)じゃないよね?そんな感想だったら嬉しいです。笑

では、この1188と4165が直交ってどういうこと?

今日は

タイトルにあるように互いに素の表示についてお話しします。

量子力学〜状態のブラケット表示①〜_の中でもベクトルに触れましたが、ベクトルだと直交していることが簡単にわかりますね。すなわち内積が0になればベクトルは直交していると言えます。一方、今回の1188と4165はなぜ?という疑問が生まれます。

では、数を扱うのでよくやることとして素因数分解をしてみましょう。

1188=2^2\cdot3^3\cdot11

4165=5\cdot7^2\cdot17

となっています。これだけではまだわかりにくいのある整数N素因数分解したら次のようになることを考えましょう。

N=2^{a_1}\cdot3^{a_2}\cdot5^{a_3}\cdot7^{a_4}\cdot11^{a_{5}}\cdot13^{a_{6}}\cdot17^{a_{7}}\cdot19^{a_{8}}\cdots

このときにNを次のようにベクトル表示しましょう。

N=\left(\begin{array}{}a_1\\a_2\\a_3\\a_4\\a_5\\a_6\\a_7\\a_8\\a_9\\\cdots\end{array}\right)

とすると、1188や4165はどうなるのかというと次のようになります。

1188=\left(\begin{array}{}2\\3\\0\\0\\1\\0\\0\\0\\0\\\cdots\end{array}\right),\ \ \ 4165=\left(\begin{array}{}0\\0\\1\\2\\0\\0\\1\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)

この2つのベクトルの内積を考えると、

1188\cdot4165=\left(\begin{array}{}2\\3\\0\\0\\1\\0\\0\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)\cdot\left(\begin{array}{}0\\0\\1\\2\\0\\0\\1\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)=0

となります。すなわち、この2つの整数1188と4165は直交しているということがわかります。また、このように2つの数の最小公約数が1であるときにその2数は「互いに素」であると言います。

つまり、互いに素である2数N_1,N_2は直交していて、N_1\perp N_2と書けるのです。

 

以上です。面白いので友達に自慢してみてください。

 

2018-12-29