量子力学〜波動関数と波動方程式 - 導入〜

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こんにちは

 

たまには真面目に物理の勉強の話をしようと思います! 量子力学について本日はお話しますね。 極めて簡単なところから話すのでつまらない人もいるかもしれませんがよろしくお願いします。

正直、今回ははてなブログTeXを使いたいというのがモチベーションですが。

 

まず量子力学の勉強を始めると最初に出会うのが以下のようなシュレディンガー方程式(Schrödinger方程式)という方程式だと思います。

\displaystyle \left(\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=\hat{E}\psi({\bf{r}},t)

正直これは何を言ってるかわかりませんね。そもそもこの方程式は何を表すのでしょうか。

結論から言ってしまうとこの方程式は粒子の状態\psi({\bf{r}},t)を示す方程式です。すなわち、この方程式を解くと粒子の状態\psi({\bf{r}},t)がわかるということになります。また、状態\psi({\bf{r}},t)の2乗である|\psi({\bf{r}},t)|^2は存在確率を示します。

では、状態と言われてもピンとこないと思います。なので、人で考えるとわかりやすいと思います。

例えば、Aさんが東京駅(位置:\bf{r})に9:00:00(時間:t)にいるときの状態を表すのがAさんの状態関数\psi_A({\bf{r}},t)となり、Aさんは|\psi_A({\bf{r}},t)|^2の確率でその状態になっていことがわかります。

つまり、粒子に話を戻すと、粒子がいつどこにいてどんな状態かをを表すのがこの状態関数\psi({\bf{r}},t)であり、その状態を記述する方程式がシュレディンガー方程式ということです。また、その状態関数の2乗|\psi({\bf{r}},t)|^2は粒子がその状態である確率を示すということです。

また、状態関数\psi({\bf{r}},t)のことを波動関数シュレディンガー方程式のことを波動方程式と言います。

わかりましたか?シュレディンガー方程式を解くということは粒子がどの時間にどこにいるかを知ることと同じことです。

次に上に書いたシュレディンガー方程式でおそらく気になってしまったのは、\hat{\bf{p}}\hat{\bf{r}}の上にあるハットは何を示すかということだろうと思います。

 

これは量子力学で大切になる演算子と言われるものです。演算子とは演算とあるように、ある状態\psi({\bf{r}},t)へなにかしらの演算させるという意味で演算子なのです。特にOO演算子はある状態\psi({\bf{r}},t)を演算することでOOという物理量を算出するためにあります。ある状態(状態関数\psi({\bf{r}},t))の運動量が知りたいなら運動量演算子\hat{\bf{p}}を、位置が知りたいのなら位置演算子\hat{\bf{r}}を、エネルギーが知りたいのならエネルギー演算子\hat{E}を状態関数\psi({\bf{r}},t)に作用させればいいわけです。

余談ですが、さっきのAさんの状態で行くとAさんの体温を知りたいので体温演算子というものを\hat{T}_bとすると、\hat{T}_b\psi_A({\bf{r}},t)を計算することでAさんの体温T_bがわかるということです。

 

では、シュレディンガー方程式に話を戻したいので、もう一度先の方程式を書きますね。

\displaystyle \left(\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=\hat{E}\psi({\bf{r}},t)

この方程式で、左辺の状態関数\psi({\bf{r}},t)の前の部分を特にハミルトニアン(Hamiltonian)\mathcal{H}といいます。今回はそれぞれの演算子の具体的な形について最後に触れて終わりにしますね。詳細は今後別の機会に書くかもしれません。

\displaystyle\mathcal{H}=-\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})

\displaystyle\hat{E}=i\hbar\frac{\partial}{\partial{t}}

\displaystyle\hat{\bf{p}}=-i\hbar\frac{\partial}{\partial{\bf{r}}}=-i\hbar\nabla

\displaystyle\hat{\bf{r}}=r

正直まずはこの形は覚えてしまいたいところです。最後によく見る形にシュレディンガー方程式を書き直します。

\displaystyle \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial}{\partial{\bf{r}}}+U({\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=i\hbar\frac{\partial}{\partial{t}}\psi({\bf{r}},t)

 

今日は波動関数波動方程式演算子などについて触れてきましたがそれぞれが何かわかりましたか?

まとめると、波動関数は粒子の状態を表す関数、波動方程式はその状態を記述する方程式、演算子は状態からある物理量を取り出すために波動関数に作用するものです。

 

うだうだ書いてきましたが結局はTeXの練習をしたかっただけです。笑

 

2017-12-23