ニュートンの運動方程式

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 こんにちは

 

今回は少し簡単な記事です。

今回のモチベーションは、「なぜ運動方程式は2階の微分方程式なの?」ということです。

高校に入って物理を始める時に最初に物体の運動について勉強すると思います。

その中で学ぶのがニュートン力学(Newtonian Mechanics)です。

そこに出てくる法則が3つあります。復習で書きますね。(ニュートン力学 - Wikipedia参照) 

 

まず前提の定義としてどんな物体であっても大きさは無視したただの点であり、その点にすべての質量が集まっているものとする。またこの点を質点という。

運動の第1法則(慣性の法則)

質点は力が作用しない限り、 静止または等速直線運動をする

運動の第2法則(ニュートン運動方程式)

 質点の運動量\bf{p}の時間的な変化は、質点に加えられた力{\bf{F}}の大きさに比例し、方向は与えられた力\bf{F}の方向に依存する

運動の第3法則(作用・反作用の法則)

 二つの質点があり、その間で相互作用があるときに質点1から質点2への力{\bf{F}}_{12}と質点2から質点1への力{\bf{F}}_{21}は大きさが等しく、方向が反対である

 

ニュートンが当時書いた『プリンキピア』の中では実は運動の第1法則と第2法則しか書いていないらしいですが。笑

 

ということで第1法則、第2法則を考えましょう。

ニュートンの当時の気持ちになってみましょう。

 

力を加えると質点の運動は変わりそうだ。ここで運動とは位置\bf{r}の時間変化であるので、まずは1階微分である速度\bf{v}が変化することを考えてみましょう。すなわち、比例係数\alpha_1として

\displaystyle \frac{d{\bf{r}}}{dt}=\alpha_1{\bf{F}}

となります。ここで一般化するために、力\bf{F}を次のように時間に依存した量として考えていきます。ただし、{\bf{F}}_iは定ベクトルとする。

{\bf{F}}={\bf{F}}_0+{\bf{F}}_1t+{\bf{F}}_2t^2+\cdots

この関係を先ほどの式に代入する。

\displaystyle \frac{d{\bf{r}}}{dt}=\alpha_1({\bf{F}}_0+{\bf{F}}_1t+{\bf{F}}_2t^2+\cdots)

\displaystyle {\bf{r}}=\alpha_1\left({\bf{C}}_1+{\bf{F}}_0t+\frac{1}{2}{\bf{F}}_1t^2+\frac{1}{3}{\bf{F}}_2t^3+\cdots\right)

この式での問題点は速度の式において、質点が静止している時は運動の第1法則が成り立つが、等速直線運動をしているときには成り立たないということです。すなわち、\displaystyle{\bf{v}}=\frac{d{\bf{r}}}{dt}がある一定の有限値を持つ場合は{\bf{F}}_0がある有限値を持つ必要がある。しかし、第1法則は力が作用しない限り成り立つものなので矛盾する。

では、次に2階微分である加速度が変化することを考えてみましょう。比例係数は\alpha_2とします。

\displaystyle \frac{d^2{\bf{r}}}{dt^2}=\alpha_2{\bf{F}}

\displaystyle \frac{d^2{\bf{r}}}{dt^2}=\alpha_2({\bf{F}}_0+{\bf{F}}_1t+{\bf{F}}_2t^2+\cdots)

\displaystyle \frac{d{\bf{r}}}{dt}=\alpha_2\left({\bf{C}}_1+{\bf{F}}_0t+\frac{1}{2}{\bf{F}}_1t^2+\frac{1}{3}{\bf{F}}_2t^3+\cdots\right)

\displaystyle {\bf{r}}=\alpha_2\left({\bf{C}}_2+{\bf{C}}_1t+\frac{1}{2}{\bf{F}}_0t^2+\frac{1}{6}{\bf{F}}_1t^3+\frac{1}{12}{\bf{F}}_2t^4+\cdots\right)

これにより先ほどの問題点が解決され、物質の運動を表現できそうです。

 では、次に3階微分である躍度(加加速度)が変化することを考えてみましょう。比例係数は\alpha_3とします。

\displaystyle \frac{d^3{\bf{r}}}{dt^3}=\alpha_3{\bf{F}}

\displaystyle \frac{d^3{\bf{r}}}{dt^3}=\alpha_3({\bf{F}}_0+{\bf{F}}_1t+{\bf{F}}_2t^2+\cdots)

\displaystyle \frac{d^2{\bf{r}}}{dt^2}=\alpha_3\left({\bf{C}}_1+{\bf{F}}_0t+\frac{1}{2}{\bf{F}}_1t^2+\frac{1}{3}{\bf{F}}_2t^3+\cdots\right)

\displaystyle \frac{d{\bf{r}}}{dt}=\alpha_3\left({\bf{C}}_2+{\bf{C}}_1t+\frac{1}{2}{\bf{F}}_0t^2+\frac{1}{6}{\bf{F}}_1t^3+\frac{1}{12}{\bf{F}}_2t^4+\cdots\right)

\displaystyle {\bf{r}}=\alpha_3\left({\bf{C}}_3+{\bf{C}}_2t+\frac{1}{2}{\bf{C}}_3t^2+\frac{1}{6}{\bf{F}}_0t^3+\frac{1}{24}{\bf{F}}_1t^4+\frac{1}{60}{\bf{F}}_2t^5+\cdots\right)

今度は力\bf{F}がなかったとしても速度\bf{v}が一定の有限値にならないという問題が生じてしまっています。ということは3階微分では表せないということです。同様に4階以上でも表せません。

つまり運動方程式は位置\bf{r}の時間に関する2階微分である加速度\bf{a}は力\bf{F}を加えることで変化するという方程式です。

今回はここがゴールなのでここまでにします!

 

2017-12-30

積分と和分

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こんにちは

 

では、今日も少し数学的なお話をしますね。

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積分と和分、すなわち\displaystyle\int\displaystyle\sumについて話します。。

高校でなんかやったなって人もいるかもしれませんが、もっとわかりやすく話しますね。当然この関係は物理をやる時にもかなり大事になります。

では、上の図で考えていきます。今回は少し単純化してお話していくのでご了承ください。

まず、ある関数y=f(x)において区間[a,b]における面積Sを求めよう。

こんなことを言われれば次の積分によって面積を求めると思います。

\displaystyle S=\int^b_af(x)dx

ここまでは高校の最初の積分の授業で行うと思います。では、図の右側のように長方形を区切ったようなモデルで考えてみましょうか。この長方形の長さは長方形の左下のx座標のときのy座標とします。

この時に一つ一つの長方形の幅を\Delta xとします。この時に長方形の左下のx座標がx_nにある一つの長方形の面積\Delta Sは次のようになることは簡単にわかります。

\displaystyle \Delta S=f(x_n)\Delta x

ここまでついてこれていますか?わからなければコメントくださいね!

では先に進めます。

では、長方形の数がN個あるときの\Delta xを考えましょう。今回は単純化のため\Delta xはすべて一定の大きさとします。

\displaystyle \Delta x=\frac{b-a}{N}\Delta n

ここで\Delta nは何を表すかといういうと、\Delta n=1を表し、一つ一つの幅という意味で追加しています。例えば、仮に今回の長方形2つを1つの長方形とするなら\displaystyle \Delta x=2\frac{b-a}{N}\Delta nとなります。

そうすると、今回の面積を和分(すなわち和)を求めると次のようになります。

\displaystyle S=\sum^{N-1}_{n=0}\Delta S=\sum^{N-1}_{n=0}f(x_n)\Delta x=\sum^{N-1}_{n=0}f(x_n)\frac{b-a}{N}\Delta n

また、x_nは次のようになります。ただし、今回x_0=a\displaystyle x_N=bとしています。

\displaystyle x_n=a+\frac{b-a}{N}n

よって、面積は次のようになります。

\displaystyle S=\sum^{N-1}_{n=0}f\left(a+\frac{b-a}{N}n\right)\frac{b-a}{N}\Delta n

高校数学では、この和分のときの\Delta nを実は省略しています。理由は単純で1,2,3,\cdotsというように差が1である整数のみを扱うからです。すなわち、\Delta n=1だからです。

そういうことで、高校数学風に書き直すと次のようになります。

\displaystyle S=\sum^{N-1}_{n=0}f\left(a+\frac{b-a}{N}n\right)\frac{b-a}{N}

これは余談ですので、元の標識でもう少し進めます。では、最後にこの長方形の幅が無限に小さくなった場合、すなわち飛び飛びでなく連続的な長方形の和を考えます。実はこれが本当の積分というものです。幅が無限に小さいので\displaystyle \lim_{N\to\infty}とすれば良いので次の関係式が成り立ちます。

\displaystyle S=\int^b_af(x)dx=\lim_{N\to\infty}\sum^{N-1}_{n=0}f\left(a+\frac{b-a}{N}n\right)\frac{b-a}{N}\Delta n

ちなみにここまでは普通に理解できるじゃんって思う方も多いかもしれません。ただ、この表式を次のように書かれると一気に謎になる人が多いので最後に書いておきます。

\displaystyle S=\int^b_af(x)dx=\lim_{N\to\infty}\sum^{N-1}_{n=0}f(x_n)\Delta x

こう見ると積分と和分って同じ式のように見えてきませんか?見えてきたら今回の目的は達成です!!

ちなみに、dxとは微小な差を表すので次のようになっています。

\displaystyle dx=\lim_{N\to\infty}\Delta x

だから微小面積も次のようになります。

\displaystyle dS=\lim_{N\to\infty}\Delta S=\lim_{N\to\infty}f(x)\Delta x

 

最後にまとめてみると、\displaystyle \int^b_af(x)dx\displaystyle \sum^{N-1}_{n=0}f(x_n)\Delta xの連続版ということです。これって結局、連続と離散の関係になっていますね。だから積分と和分は連続と離散の関係と覚えておきましょう。そうすると実は微分と差分も一緒じゃんとわかりますよ。近いうちに話しますね!では!

 

2018-12-29

整数の直交

こんにちは

 

今日は簡単な記事書きますね。

下のものを見て何かわかりますか?

 

1188\perp4165

 

いやいやいや、1188と4165は直交(図形なら垂直と言います)じゃないよね?そんな感想だったら嬉しいです。笑

では、この1188と4165が直交ってどういうこと?

今日は

タイトルにあるように互いに素の表示についてお話しします。

量子力学〜状態のブラケット表示①〜_の中でもベクトルに触れましたが、ベクトルだと直交していることが簡単にわかりますね。すなわち内積が0になればベクトルは直交していると言えます。一方、今回の1188と4165はなぜ?という疑問が生まれます。

では、数を扱うのでよくやることとして素因数分解をしてみましょう。

1188=2^2\cdot3^3\cdot11

4165=5\cdot7^2\cdot17

となっています。これだけではまだわかりにくいのある整数N素因数分解したら次のようになることを考えましょう。

N=2^{a_1}\cdot3^{a_2}\cdot5^{a_3}\cdot7^{a_4}\cdot11^{a_{5}}\cdot13^{a_{6}}\cdot17^{a_{7}}\cdot19^{a_{8}}\cdots

このときにNを次のようにベクトル表示しましょう。

N=\left(\begin{array}{}a_1\\a_2\\a_3\\a_4\\a_5\\a_6\\a_7\\a_8\\a_9\\\cdots\end{array}\right)

とすると、1188や4165はどうなるのかというと次のようになります。

1188=\left(\begin{array}{}2\\3\\0\\0\\1\\0\\0\\0\\0\\\cdots\end{array}\right),\ \ \ 4165=\left(\begin{array}{}0\\0\\1\\2\\0\\0\\1\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)

この2つのベクトルの内積を考えると、

1188\cdot4165=\left(\begin{array}{}2\\3\\0\\0\\1\\0\\0\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)\cdot\left(\begin{array}{}0\\0\\1\\2\\0\\0\\1\\0\\0\\\cdots\end{array}\right)=0

となります。すなわち、この2つの整数1188と4165は直交しているということがわかります。また、このように2つの数の最小公約数が1であるときにその2数は「互いに素」であると言います。

つまり、互いに素である2数N_1,N_2は直交していて、N_1\perp N_2と書けるのです。

 

以上です。面白いので友達に自慢してみてください。

 

2018-12-29

量子力学〜状態のブラケット表示①〜

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こんにちは

 

とうとう量子力学での記事も3つ目となりますね。

ここまでどうだったでしょうか。ぜひ参考にしてくださいね!

 

前回までは、粒子の状態は関数で表してきました。おそらく大学の最初の頃は関数の方がわかりやすいと思います。しかし、関数以外の状態の表し方が実は存在します。それがディラック(P. A. M. Dirac)により導入されたブラケット表示というベクトル表示です。

ブラケット(bracket)という単語を辞書で調べて見るとわかりますが、角括弧(<>)という意味です。

 なので、状態を|\psi\gtのように表示します。また、この表示での名前を紹介すると、|\psi\gtケットベクトル\lt\psi|ブラベクトルと言います。覚えやすさを考えれば、<>がブラケットと英語でいうので、"<"がブラ、">"がケットという風に覚えてしまうのが簡単でしょう。

では、関数で親しんできた状態の表示がなぜベクトルで表示できるの?と疑問に思った方もいると思います。

その疑問を解消するためにもここで内積というものについて振り返ってみたいです。

 

内積

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ベクトルの内積についてちょっと振り返ってみてください。

\vec{a},\vec{b}の2つのベクトルがあったときにその内積\vec{a}\cdot\vec{b}

\vec{a}\cdot\vec{b}=|\vec{a}|\cdot|\vec{b}|\cos\theta

となります。

正直これが何を表すのかわかっていない方もチラホラいたりするので、もう少し意味について考えますね。

結論から言ってしまうと内積は正射影をしていることと同じです。これじゃわからないのでもう少し砕くとあるベクトル(図の棒)に光を当ててそのベクトルの影を映し出すことに近いです。 一番わかりやすい例は仕事Wだと思います。

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通常、物理で仕事は力×距離で習うと思います。上の図だとW=Frだということですね。一方で、下の図だとW=Fr\cos\thetaとおそらく多くの高校生は習います。これが意味するのは力ベクトル*1\bf{F}\bf{r}方向成分と距離をかけたものです。もう少しわかりやすくするために単位ベクトルというものを導入します。単位ベクトルとは長さが1のベクトルです。なぜ単位というのかは、例えば距離の単位はと言われれば1 m、質量の単位なら1 kgと皆さん答えると思います。よっぽどのひねくれ者でなければ、2 mや8 kgを単位としている人はいませんよね。では、距離\bf{r}方向の単位ベクトル{\bf{e}}_rは距離で割り算すればよいので\displaystyle {\bf{e}}_r=\frac{{\bf{r}}}{|{\bf{r}}|}となります。よって、この単位ベクトル{\bf{e}}_rと力\bf{F}内積は次のようになります。

{\bf{F}}\cdot{\bf{e}}_r=F\cos\theta

すなわち、力の距離方向成分が出たというわけです。イメージつかめたでしょうか?内積というのは結局ある方向成分への正射影であるということです。仕事Wはただここで出たF\cos\thetaと距離rを掛け合わせれば良いので同じ結果が得られます。(当然ですが笑)

 

では、話を戻しましょう。

なんとなく内積は射影なのかとお分かり頂けたと思います。では、ブラケットでは何をしたいかを話します。\lt{\bf{r}}|\psi\gtという表示があったときにこれは\lt{\bf{r}}|というブラベクトルと|\psi\gtというケットベクトルの内積を表します。少しずつ気づいた方も出てきたかと思いますが、状態ベクトル|\psi\gtを実空間の位置|{\bf{r}}\gtに正射影するとそれは状態関数\psi({\bf{r}})になるということなのです。

\lt{\bf{r}}|\psi\gt=\psi({\bf{r}})

余談ですが、僕たちが見える状態というのはほとんど場合、実空間への射影だから見えるのですね。もしかしたら別の側面が別の空間には見えているかもしれません。

 

今日はここまでにしますが、話をまとめると粒子の状態は関数(\psi({\bf{r}}))だけでなくベクトル|\psi\gtでも表示できるということ、内積とは正射影であるということ、状態ベクトル|\psi\gtの実空間(\bf{r})への正射影が状態関数\psi({\bf{r}})であるということです。

 

では、また!

 

2017-12-28

*1:大学ではベクトルをボールド(太字)で書くことが多い

量子力学〜井戸型ポテンシャル中の粒子〜

こんにちは

 

前回は「量子力学〜波動関数と波動方程式 - 導入〜」ということで波動関数波動方程式について紹介しました。
今回は大学の量子力学の授業でおそらくほぼ絶対に触れる井戸型ポテンシャル中の電子についてのお話をできればなと思います!

井戸型ポテンシャルと聞くと少し苦手意識を持つかもしれませんが、簡単に言ってしまえば無限に高い壁に囲まれた空間にいる人を考えていることとあまり変わりません。また、一番想像しやすいのは地面だと思います。地面はポテンシャルが無限大の空間であり、自分たちは地面より下に簡単にいくことができません。この観点をなんとなく持つと理解が深まると思います。

 

では、パターンに分けて紹介します。

1. 一次元の井戸型ポテンシャル中の粒子

 

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では、まず上のような井戸型ポテンシャル中の粒子を考えます。

ポテンシャルとは上でも言いましたが壁です。粒子は壁に囲まれていて外には出られない状態にあるということが図に表されています。

では、この時の粒子の状態\psi(x)を考えていきます。今回は定常状態(時間に依存しない)を考え、且つ1次元を考えているので\psi(x)としています。

その準備としてポテンシャルを数式で表すと以下のようになります。

\displaystyle V(x)=\left\{\begin{array}{}0\ \ \ -\frac{a}{2}\lt x\lt\frac{a}{2}\\ \infty\ \ \ \text{otherwise}\end{array}\right.

このポテンシャルの場でSchrödinger方程式を考えてみましょう。

\displaystyle \left(\frac{{\hat{p}_x}^2}{2m}+V(x)\right)\psi(x)=E\psi(x)

ただし、E\gt0である。この式を丁寧に展開して、状態を\psi(x)を求めていきますね。

\displaystyle \hat{p}_x=-i\hbar\frac{\partial}{\partial{x}}

を用いると次のように展開できる。

\displaystyle \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial}{\partial{x^2}}+V(x)\right)\psi(x)=E\psi(x)

ただし、E\gt0である。

(i)\displaystyle -\frac{a}{2}\lt x\lt\frac{a}{2}の範囲

V(x)=0の範囲を考える。

\displaystyle -\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial}{\partial{x^2}}\psi(x)=E\psi(x)

\displaystyle \frac{\partial}{\partial{x^2}}\psi(x)=-\frac{2mE}{\hbar^2}\psi(x)

\displaystyle k=\sqrt{\frac{2mE}{\hbar^2}}\ (k\gt0)と置くと次のようになる。

\displaystyle \frac{\partial}{\partial{x^2}}\psi(x)=-k^2\psi(x)

これは単振動の運動方程式と同じ形をしているので、一般解は次のようになる。

\displaystyle \psi(x)=A\exp{(ikx)}+B\exp{(-ikx)}

A, Bは係数である。

この係数を考えるために、一旦-\frac{a}{2}\le x\le\frac{a}{2}の範囲の計算はここまでにして次の範囲を先に考えていこう。

 

(ii)\displaystyle x\lt -\frac{a}{2}, \frac{a}{2}\lt xの範囲

この範囲ではまずV(x)=V_0として議論を進めていく。

Schrödinger方程式は以下のようになる。

\displaystyle \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial}{\partial{x^2}}+V_0\right)\psi(x)=E\psi(x)

\displaystyle \frac{\partial}{\partial{x^2}}\psi(x)=\frac{2m(V_0-E)}{\hbar^2}\psi(x)

\displaystyle \kappa=\sqrt{\frac{2m(V_0-E)}{\hbar^2}}と置くと次のようになる。今ここでE-V_0でなく、V_0-Eと書いたのはV_0が今回十分に大きい場合を考えているためである。また、\kappaを実数にするためでもある。すると方程式は次のように変形されていく。

\displaystyle \frac{\partial}{\partial{x^2}}\psi(x)=\kappa^2\psi(x)

この方程式の解は次のようになる。

\displaystyle \psi(x)=C\exp(\kappa x)+D\exp(-\kappa x)

C, Dは係数である。

この解を考える時に想像してほしいことは、高いポテンシャルの中に入り込んだとしても無限に遠くなると粒子は存在確率が0になるということである。すなわち、x\to\pm\infty, \psi(x)\to0となるはずである。よって、状態\psi(x)は次のようになる。

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}D\exp(-\kappa x)\ \ \ x\gt\frac{a}{2}\\C\exp(\kappa x)\ \ \ x\lt-\frac{a}{2}\end{array}\right.

また、今回\kappaV_0=\inftyのときに\kappa=\inftyとなるので、状態\psi(x)は改めて書くと以下のようになる。

\displaystyle\psi(x)=0

すなわち、無限大の障壁の中では粒子が存在しないということを表す。

 

 

では、(i)の範囲の続きに戻ろう。改めて\psi(x)をここに記す。

\displaystyle \psi(x)=A\exp(ikx)+B\exp(-ikx)

関数\psi(x)\displaystyle x=\pm\frac{a}{2}での境界条件を考えると次のようになる。

\displaystyle \begin{array}{}A\exp\left(\frac{ika}{2}\right)+B\exp\left(\frac{-ika}{2}\right)=0\\ A\exp\left(\frac{-ika}{2}\right)+B\exp\left(\frac{ika}{2}\right)=0\end{array}

あと少しなので頑張ろう。さらに上2式をBについてまとめると以下のようになる。

\begin{array}{}B=-Ae^{ika}\\B=-Ae^{-ika}\end{array}

すなわち、e^{ika}=e^{-ika}となる。実部と虚部に分けるとこの解がどうなるかがわかりやすいだろう。

\cos(ka)+\sin(ka)=\cos(ka)-\sin(ka)

\therefore \sin(ka)=0

\therefore ka=n\pi\ (n\in\mathbb{N}\ \because k\gt0,\ a\neq0)

\displaystyle\therefore k=\frac{n\pi}{a}\ (\because a\neq0)

ということで、関数\psi(x)は次のようになる。

\displaystyle\psi(x)=A\exp\left(i\frac{n\pi}{a}x\right)-Ae^{\pm in\pi}\exp\left(-i\frac{n\pi}{a}x\right)

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}A\exp\left(i\frac{n\pi}{a}x\right)+A\exp\left(-i\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\A\exp\left(i\frac{n\pi}{a}x\right)-A\exp\left(-i\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}2A\cos\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\2iA\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}A_o\cos\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\A_e\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

前回「量子力学〜波動関数と波動方程式 - 導入〜」でもお話しましたが、粒子がとる状態ごとの確率は|\psi({\bf{r}},t)|^2で表せます。今回で言えば、1次元の線上の場所ごとの状態の確率を示します。例えば、x=a/4なら存在がOO%といった具合です。また、その確率を全体で積分したもの(全体で足し合わせたもの)は確率なので1にいなります。ということで、今回の状態関数\psi(x)についても2乗して積分してその係数を求めてみましょう。

\displaystyle 1=\int^{\infty}_{-\infty}|\psi^*(x)\psi(x)|^2dx=\int^{a/2}_{-a/2}|\psi^*(x)\psi(x)|^2dx

nが奇数(odd)のときを考える。

\displaystyle 1=\int^{a/2}_{-a/2}A^2_o\cos^2\left(\frac{n\pi}{a}x\right)dx

\displaystyle \frac{1}{A^2_o}=\int^{a/2}_{-a/2}\frac{1}{2}\left(1+\cos\left(\frac{2n\pi}{a}x\right)\right)dx

\displaystyle \frac{2}{A^2_o}=\left.\left(x+\frac{a}{2n\pi}\sin\left(\frac{2n\pi}{a}x\right)\right)\right|^{a/2}_{-a/2}

\displaystyle \frac{2}{A^2_o}=a

\displaystyle \therefore A_o=\sqrt{\frac{2}{a}}

nが偶数(even)のときを考える。

\displaystyle 1=\int^{a/2}_{-a/2}A^2_e\sin^2\left(\frac{n\pi}{a}x\right)dx

\displaystyle \frac{1}{A^2_e}=\int^{a/2}_{-a/2}\frac{1}{2}\left(1-\cos\left(\frac{2n\pi}{a}x\right)\right)dx

\displaystyle \frac{2}{A^2_e}=\left.\left(x-\frac{a}{2n\pi}\sin\left(\frac{2n\pi}{a}x\right)\right)\right|^{a/2}_{-a/2}

\displaystyle \frac{2}{A^2_e}=a

\displaystyle \therefore A_e=\sqrt{\frac{2}{a}}

ゆえに、(i)の範囲で状態\psi(x)は次のようになる。

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}\sqrt{\frac{2}{a}}\cos\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\\sqrt{\frac{2}{a}}\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

これを実際に図示してほしい。どうなるだろう。見た目としては、境界で節になるような波であることがわかると思う。この形を覚えておくことでテストなどでもイメージがしやすくなるだろう。また、この境界に定在波の節がくることを波のピン留めという。また、エネルギーも簡単なので計算してみると次のように量子化していることがわかる。

\displaystyle E=\frac{\hbar^2k^2}{2m}=\frac{\hbar^2}{2m}\left(\frac{n\pi}{a}\right)^2

 

一方テストなどではポテンシャルの範囲が変わってくることがちょくちょくある。もしもV(x)が次のようになっていたら、平行移動を考えてほしい。

\displaystyle V(x)=\left\{\begin{array}{}0\ \ \ 0\lt x\lt a\\ \infty\ \ \ \text{otherwise}\end{array}\right.

すなわち、状態関数\psi(x)を状態関数\displaystyle\psi\left(x-\frac{a}{2}\right)に変えてみると答えが出るだろう。

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}\sqrt{\frac{2}{a}}\cos\left(\frac{n\pi}{a}\left(x-\frac{a}{2}\right)\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\\sqrt{\frac{2}{a}}\sin\left(\frac{n\pi}{a}\left(x-\frac{a}{2}\right)\right)\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}\sqrt{\frac{2}{a}}\left[\cos\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\cos\left(\frac{n\pi}{2}\right)-\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\sin\left(\frac{n\pi}{2}\right)\right]\ \ \ n\text{ is odd}\\\sqrt{\frac{2}{a}}\left[\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\cos\left(\frac{n\pi}{2}\right)-\cos\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\sin\left(\frac{n\pi}{2}\right)\right]\ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

\displaystyle\psi(x)=\left\{\begin{array}{}-\sqrt{\frac{2}{a}}\sin\left(\frac{n\pi}{2}\right)\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ n\text{ is odd}\\\sqrt{\frac{2}{a}}\cos\left(\frac{n\pi}{2}\right)\sin\left(\frac{n\pi}{a}x\right)\ \ \ \ \ n\text{ is even}\end{array}\right.

 

2. 三次元の井戸型ポテンシャル中の粒子

これはイメージと結果だけ書きますね。

イメージとしては長さがa、幅がb、高さがcの直方体の空間を想像してほしい。その空間から粒子が抜けられたないとすると粒子は直方体中に収まりますね。やることは実は一次元の井戸と変わりません。ただ、イメージをして欲しかったというだけです。またx,y,zのそれぞれの方向が独立になっていることを考えましょう。すなわち、xyに依存したりと互いに依存することはないものとします。その時、モデルは一次元量子井戸が3方向で存在すると思えば問題ないです!ということは、状態関数\psi(x,y,z)に対するシュレディンガー方程式は次のようになります。

\displaystyle\left[-\frac{\hbar^2}{2m}\left(\frac{\partial}{\partial{x^2}}+\frac{\partial}{\partial{y^2}}+\frac{\partial}{\partial{z^2}}\right)+V(x,y,z)\right]\psi(x,y,z)=E(x,y,z)\psi(x,y,z)

このときにx,y,zが独立であることを利用すると\psi(x,y,z)=X(x)Y(y)Z(z)のように変数分離することができる。よって、式を変形していこう。

\displaystyle\left[-\frac{\hbar^2}{2m}\left(\frac{\partial}{\partial{x^2}}+\frac{\partial}{\partial{y^2}}+\frac{\partial}{\partial{z^2}}\right)+V(x,y,z)\right]X(x)Y(y)Z(z)=E(x,y,z)X(x)Y(y)Z(z)

\displaystyle\left[-\frac{\hbar^2}{2m}\left(Y(y)Z(z)\frac{\partial}{\partial{x^2}}X(x)+X(x)Z(z)\frac{\partial}{\partial{y^2}}Y(y)+X(x)Y(y)\frac{\partial}{\partial{z^2}}Z(z)\right)+V(x,y,z)X(x)Y(y)Z(z)\right]=E(x,y,z)X(x)Y(y)Z(z)

\displaystyle\left[-\frac{\hbar^2}{2m}\left(\frac{1}{X(x)}\frac{\partial}{\partial{x^2}}X(x)+\frac{1}{Y(y)}\frac{\partial}{\partial{y^2}}Y(y)+\frac{1}{Z(z)}\frac{\partial}{\partial{z^2}}Z(z)\right)+V(x,y,z)\right]=E(x,y,z)

V(x,y,z)はポテンシャルのそれぞれの方向の和、E(x,y,z)はエネルギーのそれぞれの方向の和である。また、今回はx方向のポテンシャルV_x(x)y,zには依存しないものとする。同様にV_y(y),V_z(z)もそれぞれz,xx,yに依存しないものとする。エネルギーも同様に考えるが、座標には依存しないものとする。ただし、x,y,z方向のエネルギーをそれぞれE_x,E_y,E_zとする。

\displaystyle\left[\frac{1}{X(x)}\frac{\partial}{\partial{x^2}}X(x)+V_x(x)\right]+\left[\frac{1}{Y(y)}\frac{\partial}{\partial{y^2}}Y(y)+V_y(y)\right]+\left[\frac{1}{Z(z)}\frac{\partial}{\partial{z^2}}Z(z)+V_Z(z)\right]=\frac{2m}{\hbar^2}\{E_x+E_y+E_z\}

\displaystyle\left[\frac{1}{X(x)}\frac{\partial}{\partial{x^2}}X(x)+V_x(x)-\frac{2m}{\hbar^2}E_x\right]+\left[\frac{1}{Y(y)}\frac{\partial}{\partial{y^2}}Y(y)+V_y(y)-\frac{2m}{\hbar^2}E_y\right]+\left[\frac{1}{Z(z)}\frac{\partial}{\partial{z^2}}Z(z)+V_z(z)-\frac{2m}{\hbar^2}E_z\right]=0

この式は恒等式であり、x,y,zは独立であったのでそれぞれの方向で常に0にならなければならない。ゆえに3つの方程式が得られる。

\displaystyle\left[\frac{1}{X(x)}\frac{\partial}{\partial{x^2}}X(x)+V_x(x)-\frac{2m}{\hbar^2}E_x\right]=0

\displaystyle\left[\frac{1}{Y(y)}\frac{\partial}{\partial{y^2}}Y(x)+V_y(y)-\frac{2m}{\hbar^2}E_y\right]=0

\displaystyle\left[\frac{1}{Z(z)}\frac{\partial}{\partial{z^2}}Z(z)+V_z(z)-\frac{2m}{\hbar^2}E_z\right]=0

少し変形する。

\displaystyle\left(\frac{\partial}{\partial{x^2}}+V_x(x)\right)X(x)=\frac{2m}{\hbar^2}E_xX(x)

\displaystyle\left(\frac{\partial}{\partial{y^2}}+V_y(y)\right)Y(y)=\frac{2m}{\hbar^2}E_yY(y)

\displaystyle\left(\frac{\partial}{\partial{z^2}}+V_z(z)\right)Z(z)=\frac{2m}{\hbar^2}E_zZ(z)

すなわち、1次元井戸型ポテンシャルを全方向でとけばいいだけということがわかる。

今日はここまでしよう。まぁテストなどの参考にぜひ!

 

2017-12-28

量子力学〜波動関数と波動方程式 - 導入〜

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こんにちは

 

たまには真面目に物理の勉強の話をしようと思います! 量子力学について本日はお話しますね。 極めて簡単なところから話すのでつまらない人もいるかもしれませんがよろしくお願いします。

正直、今回ははてなブログTeXを使いたいというのがモチベーションですが。

 

まず量子力学の勉強を始めると最初に出会うのが以下のようなシュレディンガー方程式(Schrödinger方程式)という方程式だと思います。

\displaystyle \left(\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=\hat{E}\psi({\bf{r}},t)

正直これは何を言ってるかわかりませんね。そもそもこの方程式は何を表すのでしょうか。

結論から言ってしまうとこの方程式は粒子の状態\psi({\bf{r}},t)を示す方程式です。すなわち、この方程式を解くと粒子の状態\psi({\bf{r}},t)がわかるということになります。また、状態\psi({\bf{r}},t)の2乗である|\psi({\bf{r}},t)|^2は存在確率を示します。

では、状態と言われてもピンとこないと思います。なので、人で考えるとわかりやすいと思います。

例えば、Aさんが東京駅(位置:\bf{r})に9:00:00(時間:t)にいるときの状態を表すのがAさんの状態関数\psi_A({\bf{r}},t)となり、Aさんは|\psi_A({\bf{r}},t)|^2の確率でその状態になっていことがわかります。

つまり、粒子に話を戻すと、粒子がいつどこにいてどんな状態かをを表すのがこの状態関数\psi({\bf{r}},t)であり、その状態を記述する方程式がシュレディンガー方程式ということです。また、その状態関数の2乗|\psi({\bf{r}},t)|^2は粒子がその状態である確率を示すということです。

また、状態関数\psi({\bf{r}},t)のことを波動関数シュレディンガー方程式のことを波動方程式と言います。

わかりましたか?シュレディンガー方程式を解くということは粒子がどの時間にどこにいるかを知ることと同じことです。

次に上に書いたシュレディンガー方程式でおそらく気になってしまったのは、\hat{\bf{p}}\hat{\bf{r}}の上にあるハットは何を示すかということだろうと思います。

 

これは量子力学で大切になる演算子と言われるものです。演算子とは演算とあるように、ある状態\psi({\bf{r}},t)へなにかしらの演算させるという意味で演算子なのです。特にOO演算子はある状態\psi({\bf{r}},t)を演算することでOOという物理量を算出するためにあります。ある状態(状態関数\psi({\bf{r}},t))の運動量が知りたいなら運動量演算子\hat{\bf{p}}を、位置が知りたいのなら位置演算子\hat{\bf{r}}を、エネルギーが知りたいのならエネルギー演算子\hat{E}を状態関数\psi({\bf{r}},t)に作用させればいいわけです。

余談ですが、さっきのAさんの状態で行くとAさんの体温を知りたいので体温演算子というものを\hat{T}_bとすると、\hat{T}_b\psi_A({\bf{r}},t)を計算することでAさんの体温T_bがわかるということです。

 

では、シュレディンガー方程式に話を戻したいので、もう一度先の方程式を書きますね。

\displaystyle \left(\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=\hat{E}\psi({\bf{r}},t)

この方程式で、左辺の状態関数\psi({\bf{r}},t)の前の部分を特にハミルトニアン(Hamiltonian)\mathcal{H}といいます。今回はそれぞれの演算子の具体的な形について最後に触れて終わりにしますね。詳細は今後別の機会に書くかもしれません。

\displaystyle\mathcal{H}=-\frac{\hat{{\bf{p}}}^2}{2m}+U(\hat{\bf{r}})

\displaystyle\hat{E}=i\hbar\frac{\partial}{\partial{t}}

\displaystyle\hat{\bf{p}}=-i\hbar\frac{\partial}{\partial{\bf{r}}}=-i\hbar\nabla

\displaystyle\hat{\bf{r}}=r

正直まずはこの形は覚えてしまいたいところです。最後によく見る形にシュレディンガー方程式を書き直します。

\displaystyle \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial}{\partial{\bf{r}}}+U({\bf{r}})\right)\psi({\bf{r}},t)=i\hbar\frac{\partial}{\partial{t}}\psi({\bf{r}},t)

 

今日は波動関数波動方程式演算子などについて触れてきましたがそれぞれが何かわかりましたか?

まとめると、波動関数は粒子の状態を表す関数、波動方程式はその状態を記述する方程式、演算子は状態からある物理量を取り出すために波動関数に作用するものです。

 

うだうだ書いてきましたが結局はTeXの練習をしたかっただけです。笑

 

2017-12-23

RaspberryPi3の初期設定の仕方

こんにちは

 

pythonを始めておおよそ1週間が経ち、Lineに仮想通貨の値段が通知されるプログラムを作成しました。

ただ、次にしたいと思ったのが、この通知を自分のノートPCが付いていない時にも実行すること。

ということでRaberry Pi 3 Model Bを買ってみました。

そもそもRaberry Pi 3 Model Bとは・・・?

Wikipedia : Raspberry Pi参照」

Raspberry Pi - Wikipedia

要するに教育用で作られた小さなコンピュータである。

実際に中にはOpenOfficeMathematicaなど理系の心を惹くようなアプリ、さらにはPythonJavaなどの言語ができます!
調べるともっといろんなことができそうですね。(以下のサイト参照)

Raspberry Pi 3にOpenCV 3.1のインストール | TomoSoft

 

ではでは実際に行ったことを忘備録として。

準備

付属品も含め、自分は以下の商品を買っています。

・Raspberry Pi3 Model B ボード&ケースセット

・電源(2.4 A)

HDMIケーブル(VGAはあまりおすすめではないです)

・USBキーボード、USBマウス

・micro SDカード(class4を買ったけど、classは10の方がおすすめ)

 

初期設定

では、買ってみたものを使ってRaspberry Pi3を初期設定していこう。

下を参照して進めた。ただ、RaspberryPiのバージョンが変わっているので書き直します。 

qiita.com

 

作業1

SD Card Fomatterをインストールし、SDカードをフォーマット(

FAT)

www.sdcard.org

 

作業2

Rasberry PiのホームページでNOOBSのzipファイルをダウンロード

zipファイル解凍し、SDカードのディレクトリ(SDカードのフォルダと考えてOK)の直下に解凍後のフォルダ群をコピーする!

www.raspberrypi.org

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作業3

今フォルダ群を保存したSDカードをRasberry Pi本体に挿れ、さらに本体にUSBマウス、USBキーボード、HDMIケーブルを挿れる。

HDMIケーブルはPCやTVのディスプレイに挿入できます。

その後、電源を本体に挿すと、本体の電源が入る。

このときの動作は

 ・Rasberry Pi本体の電源あたりが赤く光っており、且つ緑の点滅がある

 ・ディスプレイが虹色になり、その後OSの選択画面が出てくるので、Raspbian(RECOMMENDED)を選択し、左上のInstallをクリックする。Warningが出てくるが「yes」で大丈夫。
 ・インストールが終わったら以下の動作へ。

 

作業4

あとは下のサイトを参照して、wifisshの設定を行って完了!

https://qiita.com/susu37/items/142f92b6a8dce6e38737

 

このやり方でできなかったら、気兼ねなくコメントしてください!

 

2017-12-23